水のコラム

風呂の排水口つまり問題は重曹とお酢を用いて解消可能?

2023年09月11日  お風呂のトラブル

環境や人体に配慮した清掃道具として有名な重曹とお酢ですが、実際のところその効力はどのくらいあるのでしょうか?

重曹とお酢は、毎日入る風呂の清掃手段としても使われることも多いです。しかし適切な使い方をしなければ効果も得られないでしょう。そこで今回は、風呂の排水口つまりの問題に対して重曹とお酢がどの程度効くのか解説していきます。

風呂の排水口部分がつまる主な原因

まず、風呂の排水口部分がつまる主原因を探っていきましょう。排水口をつまらせる原因になるのは、以下の5つです。それぞれ順を追って解説します。

毛髪
風呂で洗髪した場合、数多くの毛髪が排水口内に流れ込みます。普通日本人は1日に50~100本以上の毛髪が抜け落ちるといわれており、その中でも60%程度がシャンプーしたときに抜け落ちているといわれているのです。

そのため、風呂の排水口内にはたくさんの毛髪が流れ込み、その状況を防ぐのは困難です。毛髪は別の原因物と絡むことでだんだん大きな固まりに変化し、最後につまりトラブルの原因になります。よって、毛髪は風呂の排水口がつまる原因のひとつになるのです。

毛髪はタンパク質で作られており、その毛髪を溶かすには水酸化ナトリウム・次亜塩素酸ナトリウム成分が入った洗剤を使用するのが効果的です。

石けんの残り
排水口内つまりの原因になる石けんの残りは、シャンプーやボディーソープのような油脂分と皮脂が混ざり合って作られたもので「酸性成分の石けん」です。身体を洗うと石けんと皮脂が混ざり、床や壁面に飛び散ったり排水口内へ流れついたりして石けんの残りとなって消えません。

粘り気があり黒い汚れが確認できたら、それは石けんの残り(酸性石けん)の可能性が高いです。酸性石けんは酸性なので、アルカリ性の重曹を使用すると汚れを落としやすくなります。

皮脂・垢
垢や皮脂は、人体から放出される老廃物が積もったものであり、入浴するたびに排水口に流れついていきます。垢や皮脂の多くは水とともに流れますが、排水口周辺や内側にもだんだん積もっていくのです。そして、毛髪や石けんの残りなどがあるとそれらと絡み合って、滑り汚れに変化していきます。

垢や皮脂は毛髪のような際立つ汚れではありません。そのため、知らぬ間に相当の汚れが溜まっている場合もあります。垢や皮脂は酸性なので、アルカリ性の重曹を用いると汚れが落とせるでしょう。

かび
風呂は水を頻繁に使うところであり、排水口部分はいつも水にさらされています。そして、かびは湿度のあるところに生まれやすいので、風呂の排水口はかびが生まれやすいところなのです。

排水口内にかびが生まれると泥のような臭いが発生するようになります。もし、排水口内から泥のような臭いが発生している場合、排水口内部にかびが生まれているかもしれません。

また、かびは吸着力があるので、排水口内部の汚れと組み合わさると強固な汚れに変化してつまりの原因が落としづらくなります。かびによる問題を起こさないためには、かびが小さいときに確実に清掃していくことが重要です。

排水口の強固なかびを洗い落とすときは、かび取り専用洗浄剤を用いるのが効果的です。

個物
詰替用容器の端切れや髭剃りのカバーなど、浴室にあった小物が排水口内に入りこんでしまう場合があります。極小なものだと直接流れていく場合もありますが、排水口内部に汚れが溜まり水の通路が狭いところにつっかかると、つまりを悪化させる場合があるのです。

ゴミ受け皿の網目部分が粗いときや適切に取り付けられていないときに、そのすき間をくぐり抜けて流れる危険があります。排水口清掃のときも注意しなければなりません。これらの固物は溶けないので、物理的に除去する必要があります。

重曹とお酢を掛け合わせた効力

はじめに、重曹とお酢を掛け合わせることでどんな効力が期待できるのか解説します。

重曹って何
重曹の正式名は炭酸水素ナトリウムです。炭酸水素ナトリウムは別名「重炭酸ソーダ」といわれており、この名称を省略して重曹といわれるようになりました。製品として販売されるときは重曹という名になっている場合がほとんどです。

重曹は多くの特徴をもつ物質です。重曹はアルカリ性の性質で、中和作用や洗浄効果をもち、酸性物質と反応して中性化する能力があります。

また、重曹は湿気を吸収して乾燥させる性質があり、これによって臭いの抑制や湿度調節などに利用されます。さらに、重曹は天然由来の成分なので環境に優しく、無毒で安全な代替品として広く使われています。

重曹がもつ弱アルカリ性の性質は、酸性の性質のある、つまり原因、皮脂や石けんの残り(酸性石けん)に効果的です。消臭の効果もあり有用でしょう。重曹だけでも排水口の汚れ・臭いに効果を発揮してくれます。

お酢の性質
お酢は弱酸性なので、アルカリ性の汚れに強いですが、排水口つまりの原因に対しては有効ではありません。

ただし、水のアカや金属製石けんの石けん残りなどのアルカリ性の汚れに対しては有効です。お酢だけで清掃するためには、お酢入りスプレーを用意しておくと大変便利です。水200mlに対してお酢を小さじ一杯分くらい混ぜて、スプレーボトル内に注いで完了です。

つまり部分に吹きかけてから拭き取っていきましょう。お酢は自然成分なので、清掃のときに気兼ねなく使えるところも魅力です。重曹と掛け合わせることで発泡状態となって、その泡の力で汚れを浮かせることができます。

重曹とお酢で解決可能な風呂のつまり

重曹とお酢を掛け合わせると、石けんの残りや滑りといったヘドロ状の汚れをすっきりと洗い落とせます。ただ重曹とお酢が排水口つまりを解決する効果は限定的で、この方法で解決できないケースは別の方法を実践する必要があるでしょう。

重曹とお酢で解決可能なつまり種類と解決不可能なつまりは以下のとおりです。

解決できるもの
排水口周辺に溜まった汚れがつまりの原因となった場合や軽度なつまりの場合は、重曹とお酢を使う方法が効果的です。

解決できないもの
重曹とお酢の組み合わせは、一般的には軽度のつまりに対して有効ですが、排水管内部の重いレベルのつまりには効果が限定的です。重度の排水口のつまりは、専門知識や適切な道具が必要です。DIYで対処する前に、安全を確保し専門家の助けを借りることをおすすめします。

重曹とお酢で風呂の排水口つまりを解決する方法
まず、排水口に溜まった汚れを取り除きます。ゴミや髪の毛などを手で取り除くか、ピンセットやワイヤーハンガーを使って取り出します。

次に、お湯を沸かします。沸騰したお湯を排水口に注ぎ、汚れを流す効果があります。

準備した重曹を排水口にまんべんなく esparcia します。大さじ1~2程度の量が目安です。

お酢を注ぎます。重曹に対してお酢を少量ずつ注ぐと、発泡反応が起こり、つまりの原因となる汚れを溶かす効果があります。

反応が終わるまで約10分程度放置しましょう。この間、お酢と重曹の反応によって汚れが分解されることで、つまりが解消される可能性があります。

最後に、お湯を再び注いで洗浄します。残りの汚れを流し、排水口をスッキリさせましょう。

重曹とお酢でつまりが解決しないとき

繰り返しになりますが、重曹とお酢の効力はさほど強くありません。よって、このふたつを使ってもつまり問題が解決しないときは下記の対処法を実践してみましょう。

市販の薬剤を使用
市販の専用薬剤は重曹・お酢よりも強い効力があります。したがって、つまりが重度なケースでも対処できます。ただ効果が強力な反面、人体に対して有害な成分も含んでいます。製品の裏面に載っている注意事項を守って使っていきましょう。

また、専用の薬剤には液状タイプ、パウダータイプ、泡状タイプに分かれており、自分に適したものを選ぶことが大事です。

液状タイプは、バリエーションが豊かで強力な性質があり、強い粘性のあるタイプだと側面部に留まりやすく効果的です。

パウダータイプは、水と反応して発泡する強い泡成分が汚れを分解します。液状タイプと比較してバリエーションはないですが、業務用程度の製品もあります。

泡状タイプは、泡状の洗剤です。濃密な泡成分が排水口全域にきちんと付き、汚れを分解します。使用方法はシンプルですが、液状タイプと比較して弱い性質があります。

ワイヤーブラシを使って除去する
ワイヤーブラシは、ワイヤーの先端部にブラシが付く排水管専用の清掃用具です。ワイヤーブラシはつまり箇所に直にアプローチできるので、強固な汚れやつまりトラブルの解決に効果的でしょう。

まとめ

今回は、風呂の排水口つまり問題で重曹とお酢を用いて解消可能なのかを解説してきました。重曹とお酢を掛け合わせた解消法は万能ではありません。重曹とお酢を用いた方法を実践しても解消しない場合は、本記事内で紹介した他の方法を実践してみましょう。

とくしま水道職人 0120-492-315

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