水のコラム
浴槽の水漏れをチェックしよう!応急処置の方法も解説
浴槽はほかの設備に比べ壊れにくいものですが、それでも経年劣化で故障や不具合が発生することもあります。
その中でもよく起こるのが、水漏れです。
浴槽の水漏れは、目立ちにくいひび割れでも発生し、浴室やその下にある家の基礎などにも影響を与えます。
できるだけ早い段階で気が付かないと、思わぬトラブルを生み出す可能性もあるトラブルです。ここでは、浴槽の異常をチェックする方法と、応急処置のやり方を解説します。
浴槽の水漏れチェック方法
浴槽の水漏れは、小さいひび割れでも発生します。
目立った傷などがなくても、いつの間にかお湯の水位が下がるなどの症状があれば、故障や不具合が発生している可能性があります。
まずは水漏れが起きていないかチェックしましょう。
浴槽に水をはってスポンジを置く
チェック方法はとても簡単です。
浴槽に水をはり、スポンジを浮かべるだけで水漏れの発生箇所を調べられます。
水漏れは浴槽だけでなく給湯口などでも発生しているため、水をはるときは給湯口などよりも高い位置に水位が来るようにしましょう。
水が十分な量たまったら、スポンジを真ん中に置き観察します。
スポンジが動かないか確認する
浴槽に異常がある場合、スポンジが動きます。
これは、水漏れのあるところに水流が生まれるためです。
スポンジは水流に乗って動き、故障や不具合が起きているところに流れ着きます。たとえば、給湯口などのない浴槽の壁にスポンジが移動した場合、その部分にひび割れや傷があります。
排水口に吸い寄せられたり、水をはったときよりも水位が下がっていたりする場合は、排水口が原因です。
給湯口や給湯器にトラブルがあれば、その近くで止まります。故障箇所が分かったら、水を抜いてトラブルの原因が何かを調べましょう。
浴槽の水漏れが起こる原因
浴槽の水漏れトラブルが起きる原因は主に3つです。
原因により修理方法が異なるため、業者に依頼する前にどんな故障や不具合が起きているか確認しておきましょう。何もわからない状態よりも、故障箇所や内容の予測がついている方が、スムーズに相談できます。
浴槽の割れ
浴槽は多くの場合、強化プラスチックの一種で作られています。
強化プラスチックは10〜20年と非常に寿命が長いですが、劣化を完全に避けられるわけではありません。長い間使い続けると、強度が低下します。
劣化した状態のところに強い力が加わると、ひび割れや傷が発生し、そこから水が漏れてしまうというわけです。
新築から長い間リフォームなどをしていない・築年数の長い賃貸に住んでいるなどの場合は、浴槽が原因であることも多いです。心当たりがあるなら、浴槽のリフォームや修理を検討しましょう。
給湯口または排水口の劣化
給湯口や排水口の劣化も、水漏れのよくある原因です。
浴槽と給湯器をつなぐ給湯口は、パッキンと呼ばれるゴムやプラスチックから作られたパーツがはめられています。
パッキンは設備の隙間から水などが漏れないようにするためのものですが、経年劣化により破損することもあります。
排水口の場合、排水口の栓が劣化して水が漏れるケースが多いです。多くの浴槽ではゴム栓が採用されていますが、ゴムが劣化して縮むと栓としての役割を果たせなくなります。
結果、栓の間から水が漏れてしまいます。このほか、排水口自体が劣化して水漏れしているケースもあります。
どちらの場合も古いパーツを交換すれば改善できますが、複雑な住宅設備とつながっているため、DIYで修理するのは非常に難しいです。
排水管の劣化
浴槽からは見えない排水管の劣化が原因の場合もあります。
先ほどのチェック方法で底にスポンジが吸い寄せられたのに、ゴム栓や排水口には異常がない場合、その下にある配管で漏れている可能性が考えられます。
排水管が原因だと、浴室の下にある床下や池の基礎に水がもれるため、カビなどが発生し、家全体に悪影響を与える場合もあるため、非常に危険です。
一見異常が見当たらないのに水漏れの症状が起きている場合は、できるだけ早く業者の力を借りましょう。
水漏れ修理は業者に依頼するのが無難
浴槽の近くで起きている水漏れは、修理するのが非常に難しいです。
浴槽のひび割れや傷は、特殊な施工で穴をふさぐか、浴槽自体を交換しないと改善できません。給湯口は電気やガスを扱う給湯器とつながっているため、修理には専門的な知識や技術が必要です。
排水口や排水管も住宅機能に影響を与えるため、給湯口と同じように考えてよいでしょう。スポンジを使ったチェックで故障やトラブルが疑われる場合は、業者に連絡して修理してもらいましょう。DIYで修理しようとせず、専門家の力を借りてください。
業者の修理が間に合わない場合の対応方法
業者に修理を依頼しても、繁忙期などですぐに修理してもらえない場合もあります。そのようなときは、応急処置で対応することも可能です。
応急処置で対応できるトラブルの内容と処理の仕方をご紹介します。
浴槽は専用キットで応急処置ができる
浴槽のひび割れは、軽度であれば専用の補修キットや接着剤で補修できます。
業者がすぐに来られない場合は、応急処置で乗り切りましょう。
浴槽に使われている強化プラスチックは、複数の種類があります。補修キットなども使えるものと使えないものがあるため、道具を用意する前に確認しておきましょう。
プラスチックに近い素材なら「FRP」と呼ばれる素材が使われていることが多いです。このほかでは、人工大理石・タイル・ステンレス・木製などがあります。
浴槽の材質を見つけたら、以下の道具をそろえましょう。
補修キット
耐水性の高い接着剤
防水テープ(補修キットに含まれていない場合)
どれもホームセンターや通販サイトで購入できます。道具を用意したら、作業を開始します。
まず、浴槽の汚れを落とし、乾燥させます。十分乾いたら、補修キットや耐水性の高い接着剤で故障箇所を埋めましょう。
多すぎると浴槽にデコボコができてしまうので、故障している部分を覆う程度を目安に埋めていきます。故障箇所を埋め終わったら、防水テープを貼って水が入り込まないようにすれば完成です。
浴槽の処理はあくまでも応急処置にすぎません。直ったからといって故障を放置すると、元通りまたは悪化する可能性があります。
浴槽を使う場合はできるだけ負荷をかけないようにしましょう。
排水溝は部品交換で直せる可能性がある
排水口は、ゴム栓などのパーツを交換すれば、今まで通り使える場合もあります。
材料や修理に使う道具が手に入るなら、パーツ交換で対応しましょう。
電気やガス・複雑な配管などをいじる必要のないパーツであれば、特殊な知識や技術がなくても交換できます。とはいえ、素人修理は悪化や別の故障を引き起こす原因のひとつでもあります。
確実に直したいなら、業者の力を借りた方がよいでしょう。
排水管に異常があるときは使用しない
最後に、排水管に異常があるケースですが、この場合浴室は使用してはなりません。
排水管に漏れがある状態で水を流すと、その分床下に悪い影響を与えることになります。
故障による被害を最小限に抑えるには、排水管に水が流れないようにすることが大切です。
とはいえ、たとえ数日間でも、浴室が使えない状態が続くのはとても大変です。
業者に修理を依頼する際は、ただ水漏れしている事実を伝えるのではなく、配管に異常があることも伝え、そのうえで調査と施工してもらえる日程を決めるようにしましょう。
まとめ
浴槽の水漏れは、気が付きにくい原因が多く、いつの間にか故障や不具合が発生していることもあります。被害を最小限に抑えるには、定期的なチェックと迅速な修理が必要です。
水漏れの原因は浴槽や配管が原因であるため、修理には専門業者の力を借りなくてはなりません。
故障の発生個所により、浴室だけでなく住宅全体に影響が出る場合もあります。水漏れの可能性があるなら、すぐに業者へ修理を依頼しましょう。