水のコラム

水道管が破裂したら保険は効く?ケース別で紹介

2022年11月02日  水回り

火災保険は地震を除く水災にも適用されて、意外に役立つ保険であることが認知されています。たとえば、台風の強風で飛んできた瓦で窓ガラスが割れたら、窓ガラスの修理は火災保険が適用されます。

そんな便利な火災保険ですが、水道管が破裂した場合は適用されるのか知りたいところです。そこでここでは、水道管が破裂した場合の保険適用について詳しく解説します。

火災保険で補償される水道管の故障

何かと便利な火災保険ですが、水道管が破裂した場合は適用されるのかというと、適用されるケースとそうでないケースに分かれます。ここでは、火災保険で補償される水道管の故障ケースについて解説します。

凍結水道管修理費用保険金が摘要されるケース

火災保険で保証される水道管の故障は、水道管の凍結によって給水管が破損するケースと、その破損による水漏れ被害です。

保険会社や商品によって異なりますが、加入している火災保険に「凍結水道管修理費用保険金(水道管修理費用保険金)」が契約に含まれている場合は、水道管が凍結により破裂して修理する場合に1回の事故で10万円を上限に補償されます。

ただし、この特約が含まれていない場合は凍結による水道管の故障は補償されないので、加入している火災保険の補償内容を確認しておくことをおすすめします。

水道管からの水漏れによる被害は補償される

水道管の凍結による破裂によって水漏れが発生して、天井や床、壁などを修繕する必要があるケースは、火災保険の「水漏れ被害」が適用されます。

これは、特に水道管が凍結による破裂が原因でなく、他の原因で破損して水漏れを起こした場合でも適用となるので安心できます。

たとえば、壁に沿って配管していた水道管が破裂して、その水の勢いで壁に穴が開いてしまい、偶然にもその場所が押し入れで中の布団が水浸しになったとしても、壁と布団は火災保険で補償されます。

ただし、残念ながら凍結による破裂でない限り、水道管の修理代は補償されません。

火災保険で補償されない水道管の故障

先に火災保険で補償される水道管の故障ケースを解説しましたが、ここでは火災保険で補償されない水道管の故障について解説します。

火災保険は基本的に自然災害による被害を補償する保険

基本的に火災保険は、自然災害による被害を補償する保険です。

先の水道管の凍結は、冬に極寒な状況にならないと起きることのないトラブルですから、一種の自然災害による被害と捉えることができます。

それでも、凍結水道管修理費用保険金を契約していないと補償されません。つまり一般的な火災保険では、自然災害ともいえる極寒での水道管の破裂も補償されないのです。

このことを考えると、自然災害が起因しない水道管の破損や破裂は、火災保険では補償されないのは当然と考えてもおかしくありません。

凍結でない老朽化による水道の破裂は補償されない

先にお伝えしたとおり、火災保険は自然災害による被害を補償する保険です。従って、敷地内の地中に埋設されている水道管が老朽化によって破裂した場合は、自然災害でもなんでもないので火災保険の適用外となります。

また、地中に埋設されている水道管でなく、住宅内のパイプスペースや床下に配管されている水道管が破裂しても、残念ながら火災保険の補償対象とはなりません。

戸建の持家の場合は、水道管も所有物となるため破損のないように管理する義務があります。従って、水道管の老朽化による破損は、自己責任となる部分が大きくなるのです。

キッチンの水道管が破裂して壁が壊れたケースは?

では、キッチンの水道管が破裂して、壁が壊れたケースではどうなるのでしょう。このケースでは先の押入れのケースと同様となり、破裂した水道管は補償されませんが、水漏れで壊れた壁は火災保険で補償されます。

複雑なケースになるので、修理の見積もりは水道管の修理費と、壁の修理費に分けて作成する必要があります。

集合住宅で故障したら?

戸建で水道管が破裂したりすれば、所有者がハッキリしているので責任の所在は明確ですが、マンションなどの集合住宅で水道管が故障したら補償はどうなるのか心配になります。

集合住宅の場合は管理区分の違いによって、故障の責任にも違いが生じてしまいます。ここでは、マンションなど集合住宅での水道管の故障について解説します。

共用部分は管理側の責任で修理する

共用部分に配管されている水道管が故障した場合は、大家さんや管理組合が修理をする必要があります。従って個人にて、火災保険の補償を確認しなくてもよくなります。

床下部分に配管されている水道管については各マンションの「標準管理規約」を確認する必要があるので要注意です。

規約によって、誰が責任を取るのかが明記されているはずなので、万一の場合は規約に従って修理することとなります。

まずは大家さんや管理組合に相談することが重要

故障した水道管の位置については、マンションなど集合住宅では個人で特定するのが難しいケースがほとんどです。従って、水漏れを発見したらまずは、大家さんや管理組合に相談しないといけません。

逆に確認もしないで勝手に修理すると、大きなトラブルに発展するケースもあります。集合住宅の場合は管理者が必ずいるので、水道のトラブルに限らず何かある場合は、管理者に相談するのがベストです。

水漏れによる被害は火災保険で補償される

水道管自体の故障は、ほとんどのケースで大家さんや管理組合が修理してくれます。

そして、水道管の故障によって被害を受けた洋服や電化製品などは、水漏れとして火災保険で補償されるので心配はいりません。

分譲マンションでも賃貸のマンションでも、必ず火災保険には加入しているはずなので、水漏れ被害による補償を受けることができます。

賃貸マンションは契約更新時に火災保険の加入を確認されるので、加入していない家庭はないはずです。

ただし分譲マンションの場合は、満期によって保険期間が終了している可能性があるので、火災保険の加入について改めて確認しておくことをおすすめします。

個人賠償責任保険が付帯しているか確認しておく

戸建の火災保険にはない特約が、マンションなど集合住宅用の火災保険に付帯しています。それが「個人賠償責任保険」です。

もしも、個人の管理が必要な部分で水道管が故障して、下の階に水漏れを起こしたなら損害を賠償する責任が生じます。

そんな時に個人賠償責任保険が付帯していれば、下の階の方の被害を補償できるので安心です。この特約は、風呂場の水を出しっぱなしにして、下の階に水漏れを起こしたケースでも適用となるので、ぜひ加入しておきたい特約です。

借家人賠償責任保険が付帯しているかも確認しておく

借家人賠償責任保険は火災保険に付帯する特約保険で、大家さんに対しての補償をおこないます。

先の水漏れトラブルでは、個人賠償責任保険にて下の階の被害を補償しますが、床や天井などの被害は補償されません。

これらを補償するのが借家人賠償責任保険なのです。つまり、補償を万全にしておくなら「火災保険+個人賠償責任保険+借家人賠償責任保険」をセットで加入しておくと安心できるという訳です。

まとめ

今回は水道管が破裂した際に火災保険で補償できるか、について解説しました。

結果は、火災保険に「凍結水道管修理費用保険金」の特約が付帯している場合は、凍結による水道管の破損は補償されます。

それ以外では、水道管自体の修理費用は補償されません。ただし、水道管の破裂によって壁や洋服、電化製品などが水漏れ被害に遭った場合は、これらの補償はおこなわれます。

マンションなどの集合住宅では、水道の故障に対する修理は管理側が把握する必要がありますので、戸建とは違った対応が必要となります。

いずれにしても、火災保険に加入しておくと何かと便利なのは間違いありません。

とくしま水道職人 0120-492-315

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