水のコラム
お風呂の入浴剤で浴槽にキズが?正しい入浴剤の選び方
毎日の入浴の際、入浴剤を使っている人は多いのではないでしょうか。
いろいろなタイプの入浴剤があるので、どれを使おうか迷ってしまうほど。
しかし、入浴剤によっては浴槽にダメージを与えてしまうものもあるのです。この記事では、入浴剤の正しい選び方や注意点を説明します。入浴剤を選ぶ際に役立てて下さいね。
入浴剤にはたくさんのメリットが
入浴剤には多くのメリットが期待できます。ここで4つのメリットを紹介します。
疲労回復効果
仕事や家事に忙しくしていると、肩こりや腰の痛みが生じることがあります。
保湿効果が高い入浴剤は、疲労回復にも最適なアイテムです。とくに炭酸ガス入りの入浴剤は、血管を拡張し血流促進効果もあるので疲れが溜まっている時におすすめ。ゆるめのお湯にゆっくり浸かると、より効果を得られます。
血行促進効果
冬だけでなく、夏でも手足が冷えるという人は多くなっています。
入浴剤には血行促進にも効果的。冷えた手足を芯から温めることが可能です。お風呂を出る時にはポカポカになること間違いありません。
生薬成分入りの入浴剤を使えば、温泉に近い効果を得られます。新陳代謝も活性化してくれるので、血の巡りが良くなるのを実感できるはずです。
睡眠の質が上がる
疲労回復や血行促進に効果的な入浴剤は、睡眠の質を上げるという作用もあります。
睡眠の質を上げる入浴方法として、気をつけたいのがお風呂の温度です。38〜40度ほどのお湯が理想的。ゆっくりと20分ほど浸かって下さい。また、入浴のタイミングも大切です。
就寝2時間前を心がけるならば、より睡眠の質が上がります。快適な睡眠へとサポートするラベンダーなどの香りをチョイスするのがおすすめです。
リラックス効果を得られる
入浴剤にはさまざまな香りや色があり、それによって癒しの効果が得られます。例えば、温泉気分になる香りのものや森林浴をイメージできるものまで。このような香りや色の作用によって、リラックスした気持ちを味わえるのです。
入浴剤の間違った選び方
多くのメリットがある入浴剤ですが、注意して選ぶ必要があります。
ここで、入浴剤の間違った選び方を紹介します。
浴槽の材質に合っていない入浴剤を選ぶ
浴槽の材質に合っていない入浴剤を使うならば、浴槽を傷めてしまいます。
とくに注意したいのが、硫黄成分を含む入浴剤です。硫黄成分は、強力プラスチックや大理石でできた浴槽の光沢を奪い、金属部分を腐食させてしまいます。そのほかの材質でも変色や変質の恐れがあるため、注意して下さい。また、人気のソルト系の入浴剤も金属を腐食させる働きがあります。
金属製の浴槽を使用している人は、避けた方が良いでしょう。また、炭酸ガスタイプの入浴剤は、大理石の光沢を失わせてしまいます。乳白色にお風呂が濁るタイプの入浴剤は、浴槽の劣化を引き起こす恐れがあります。とくに、木の浴槽には使用するのは避けて下さい。
お湯が循環するタイプのお風呂に入浴剤を使う
お風呂のお湯を沸かす方法としては、給湯器で沸かしたお湯を浴槽に入れるタイプ・浴槽と風呂釜をパイプで繋いでお湯を循環させるタイプ・浴槽に水を張って沸かすタイプがあります。
浴槽と風呂釜をパイプで繋いでお湯を循環させるタイプに入浴剤を使うならば、循環経路内の金属部分を劣化させてしまうかもしれません。硫黄成分を含むものやソルト系のもの、炭酸ガスタイプのもの、無機系酸化チタンなどほぼすべてのタイプは使用に向きません。
これ以外でも入浴剤を使う場合は、入浴剤の注意書きをよく読んで使えるかどうかチェックした上で使用して下さい。
入浴剤の正しい選び方とは
では、入浴剤をどのように選べば良いでしょうか。
まず、浴槽や風呂釜を傷めない入浴剤を選ぶことです。お風呂の浴槽や風呂釜と相性の良い入浴剤を選ぶようにして下さい。入浴剤のパッケージ部分には「風呂釜や浴槽を傷めない」「風呂釜に影響を与えない」「全自動給湯器には使用できない」などの表記があります。
それらをチェックして、お風呂に合った入浴剤を選びましょう。使用している浴槽の材質がわからない場合は、メーカーに問い合わせて確かめておくならば、安心です。また、目的に合わせた入浴剤の効能で選ぶこともできます。
入浴剤はお肌をしっとりさせる保湿成分の高いものや、リラックス効果が高い入浴剤までさまざまです。
まずは自分がどんな効果や効能を得たいかイメージし、効能に合わせて香りを選び入浴剤を決めましょう。
お風呂を傷めないためにできること
お風呂を傷めてしまう危険もある入浴剤。少しでもそのリスクを減らすために、何ができるでしょうか。
1つ目は、入浴剤を使用した後にお風呂をきれいに洗い流すことです。入浴剤を使用した後に、そのままに放置しておくならば入浴剤に含まれている成分が浴槽の材質に影響を与えてしまいます。
お風呂を使用した後はすぐにお風呂の栓を抜き、お風呂用洗剤を使ってしっかり洗い流して下さい。
2つ目は、適量の入浴剤を使用することです。大量に入浴剤を使用すると、含まれている成分がより濃度になって浴槽にも影響を及ぼしてしまいます。
入浴剤を目分量で測ることを避け、適量を守って使用して下さい。
入浴剤の種類別の注意点
多くの種類がある入浴剤。ここで、入浴剤の種類別に注意点を紹介します。
粉末・顆粒タイプ
大容量で入っていることから、一般家庭で使用されています。
このタイプは、大きく分けて2つ。その中の1つは、塩化ナトリウムを含む入浴剤です。放置するとステンレスや鉄製品にサビが発生し機器の故障を招く恐れがあります。
そのため、お風呂に入った後は早めに栓を抜き、浴槽周りを掃除して下さい。また、粉末・顆粒タイプのものには、酸化チタンを含む入浴剤もあります。
この入浴剤を使用した後には、浴槽の底や周りを白く濁りが見られるでしょう。そのままにしておくと、配管や浴槽関連製品の劣化に繋がります。入浴後は、浴槽周りをしっかり洗って下さい。
循環部の自動洗浄機能が付いた給湯器では、自動洗浄することがおすすめです。
錠剤・粒タイプ
このタイプの入浴剤を使用する場合は、追い焚き運転やジェット噴流などの循環運転を避けて下さい。動作不良や機械の故障原因になる可能性が考えられます。
生薬タイプ
このタイプは、細かく刻んだ状態や粉末のままの状態のものがあります。
細かな粉末がお風呂の中に散乱するならば、給湯器や循環装置、排水管などに詰まって故障を招くかもしれません。使用する場合は、目の細かい布や袋に入れて下さい。
また場合によっては、浴槽に色がついてしまうことも。使用上の注意を確かめた後に使うことをおすすめします。
まとめ
お風呂の入浴剤には、疲労回復効果や血行促進効果など多くのメリットがあります。
しかし、浴槽の材質に合っていない入浴剤を選んでしまうならば、浴槽を傷めてしまうでしょう。
とくに、追い焚き運転やジェット噴流などの循環運転が付いている浴槽は注意が必要です。入浴剤を選ぶ際には、効果や効能だけでなく注意書きもしっかりチェックして、お風呂に合った入浴剤を選びましょう。