水のコラム
お風呂の排水口に排水トラップがない時の対処法を知ろう!
「排水口から異臭が…。掃除をしているのになんでだろう?」と疑問に感じている場合、排水口のトラップに問題があるかもしれません。
排水口の中身がどうなっているかご存知でしょうか。臭いを消すために、大きな役割をしている排水口パーツが排水トラップです。排水口から異臭を感じたなら、まず、排水口にちゃんと排水トラップが設置されているか確認しましょう。
この記事では、排水トラップの役割や手入れの仕方について紹介します。
排水トラップの役割とは?
浴室の排水口の掃除を怠っていると、排水口からひどい異臭が立ち上ってくることがあります。これは「排水トラップ」と呼ばれる排水口構造に異変があることが想定されます。
ここでは、排水トラップの諸機能について詳しく触れながら、その異臭の原因と排水トラップの役割について解説していきます。排水トラップとは、排水管の構造自体のことを表しています。その型は数種類にわかれます。それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
■ワン(椀)トラップ
ワン(椀)トラップとは、その名の通り、お椀をひっくり返したような形をしているところから、このような名前がついています。
とてもシンプルな形状をしているので、掃除しやすいという長所がありますが、詰まりの一種である「破封(はふう)」を起こしやすいという短所があります。
■ドラムトラップ
ドラムトラップとは、全体の形態がドラム型の構造のものを指します。ドラム型の構造なのでより多くの水をトラップ内部に溜め込むことが可能であり、溜まった水が減りにくい長所があります。
一方で他のタイプと違って、ドラムトラップは内部構造に排水が流れる経路がないため、詰まりやすくなる点が短所です。
■管トラップ
管トラップは、スタンダードなタイプの構造です。このタイプは、S字・U字・P字といった形に配管を変形させることで、意図して貯水できる空間をつくりだしているものです。
長所としては、他の構造タイプに比べて空間をとる必要がない点と、構造上自然に洗浄してくれる点があげられます。一方、短所は他の構造タイプに比べて、髪の毛や汚物が溜まりやすいことです。
また、排水管全体は下水管とつながっているため、管の内部に何も施していないと下水からのイヤな臭いや害虫が排水管を通過して部屋の中に紛れ込んできます。
そこで、これらの侵入に歯止めをかけてくれるのが排水トラップです。前述のように、排水トラップは下水からの不快な異臭を回避するための構造です。したがって、異臭が発生しているということは、排水トラップ内部で「破封(はふう)」といわれる問題が起こっている可能性が高いです。
■破封(はふう)とは
排水管の内部では、異臭や害虫の侵入を回避するために、水が貯めてあります。それがなんらかの作用によって機能を果たせなくなってしまうと、排水管から異臭がしてきたり、害虫が侵入することがあるのです。これを「破封(はふう)」といいます。
この破封が引き起こってしまう理由にはいくつかあります。代表的な事例を4つ見ていきましょう。
1つ目は「自己サイフォン現象」です。自己サイフォン現象は、浴そう内に溜まった水を抜く時といった水を一気に大量に流す際に起こります。
排水口に水を流すと、排水の管を通過して一気に水が流し込まれ、それが引き金となり、排水管内部に溜まっていた封水が威勢よく流されてしまうのです。排水管内部の封水が流され、量が減ってしまうと、破封が起こってしまいます。
2つ目は「吸い込み作用」です。浴室やお手洗いからの排水管は、排水立管といわれる排水管と合流しています。一般の家庭では、各所の排水管は排水立管を通じてつながっているのです。
つまり、上階の排水管から急激に水が流されると、排水管でサイフォン現象が発生して、封水が少なくなってしまうことがあります。これを吸い込み作用といいます。
3つ目は「毛管現象」です。毛管現象は、排水管内部の汚れが原因です。排水管内部に、髪の毛のような毛類が流れずに引っかかったままだと、水の表面張力で封水が髪の毛を伝って吸い上げられる「毛管作用」が起こります。
その結果、封水が少しずつ流れ出てしまい全体量が減るので、破封が起こってしまうのです。そのため対策としては、パイプクリーナーを使用して排水管内部の汚れや詰まりを取り除き、排水管内部をキレイに保つことです。
4つ目は「蒸発」です。長時間水を流さずにおくと、排水口は徐々に乾き始めます。当然ながら、排水管の中にある封水もただの水なので、内部の乾燥状態がずっと続いてしまうと、蒸発し封水も減ってしまうのです。
この蒸発状態がずっと続けば、やがて破封になります。蒸発による破封を回避するには、習慣的に水を流して封水を補給したり、蒸発防止剤を流し込み、蒸発しないようにすることが大事です。
また、旅行や長期で留守にする場合は、排水口をビニールシートで密閉し、水が蒸発しないようにする工夫が重要となります。
お風呂の排水口に排水トラップがない時の対処法
住んでいる住居によっては、古い年代につき「トラップ自体」が設置されていないことも考えられます。そのようなケースでは、浴室の排水が直で排水管の方に流れていることがよくあります。異臭が逆琉する危険が高いので、排水口に蓋をするなどして対策をしましょう。
お風呂の排水口を掃除する方法
お風呂の排水口トラップは、ヘアキャッチャー・封水筒・排水ピースというパーツからできています。これらのパーツに髪の毛や汚物などの付着が詰まりの元凶です。ここからは、各パーツの清掃手順を解説していきます。
準備するものは「ゴム手袋・歯ブラシ・スポンジ」の3点です。はじめに、排水口のカバーを取り外します。次に、カバー下部にあるヘアキャッチャーと封水筒のつまみ部をつかみ、手で回しながら外していきましょう。
その後、おおよその汚れを取り除いたら、歯ブラシやスポンジなどを使用して、細かい汚れを落としていきます。汚れやゴミをそのまま洗い流してしまうと、詰まりの原因になるので、必ずゴミ袋に入れて処理しましょう。また、封水筒下部にある排水ピースについてもキレイにしてください。
他のパーツと同様に歯ブラシやスポンジを使用して細かい汚れを落としていきます。最後にすべてのパーツの清掃が終了したら、外したときと逆の流れでパーツを元に戻します。パーツを一つずつ取り外して丁寧に掃除することで、汚れをキレイに落とせるだけでなく、パーツの状態も同時に確認できます。
部品に欠損がないかどうか点検して、もしも何か問題があれば、新しい部品に交換するのも効果的なリスクヘッジとなります。また、排水トラップより先の手の届かない場所が詰まっている時は「ラバーカップを使用して詰まりを引き出す」「ワイヤーブラシや針金などを使って汚れの塊を掻き出す」「排水管洗浄剤を使用する」などを試してみてください。
排水管洗浄剤を使用する時は、危険なので換気を心がけましょう。ちなみに、排水トラップ部に薬剤が溜まってしまうと、排水管内部の汚れまで到達しないこともあるため、取り扱いには注意が必要です。また、定期的に清掃をしてメンテナンスをしていても、状況が改善されない時には、専門業者に思い切って頼んでしまうのも一つの方法です。
まとめ
この記事では、お風呂の排水口トラップについていろいろな角度から説明してきました。排水口の掃除法については、すぐに実践できるものもあったかと思います。ぜひあなたの家の排水口掃除と日頃の手入れに役立ててみてください。