水のコラム
トイレがつまりやすいって本当?理由やつまったときの対処法を解説!
毎日使うトイレだからこそ、使いたいときに使えないと困りますよね。トイレが使えない主な理由に「つまり」がありますが、水周りの中でもトイレは特につまりやすい場所です。
本記事では大きなトラブルを未然に防ぐためにも、トイレがつまりやすい理由とつまったときの対処法について解説します。
トイレがつまりやすい理由
トイレは住宅内外にある水周りの中でも特につまりやすい場所です。その理由は以下の4つあります。
トイレの仕組み
トイレの仕組みは主にS字状の配管と、排水管、下水管の3つから成り立っています。排水が行われると、その勢いによってS字状の配管を通り、排水管、下水管へと流れます。
第一関門である配管は、Sの文字がやや斜めに取り付けられていることから、排水の勢いや量によって汚物や汚水を一度上に持ち上げる仕組み。
そのため、汚物やトイレットペーパーなどを大量に流すと、排水時の量や勢いが不足し、S字状のカーブ部分でつまりが起きてしまいます。
さらに第二関門の排水管ですが、その直径は7.5cmと細め。例を挙げるなら大人の人差し指ほどの長さであるため、流したものが大量だと、排水管でもつまりが起きてしまうのです。
第三関門の下水管までの距離は20m以上もあるのがほとんど。そのため、汚物やトイレットペーパーのほか、食べ残しや油、猫の砂などを大量に流すと、排水管から下水管までの間でつまりが起きることもあるのです。
使用年数
配管や排水管などには、使用年数によって汚物や汚れがヘドロ化したものが付着していることも少なくありません。流れ切らなかった汚れは気温の変化によって固まりやすいことから、これらが付着して通り道を狭めてしまうのです。
トイレを使用した際、一般的な使い方をしていたのにもかかわらず、なぜか排水が行われない、流れに違和感を覚えるなどの症状が見られた場合は、排水管や下水管にこびりついた汚れによって、つまりが起きていると考えられます。
節水モード
近年のトイレには温水洗浄便座が取り付けられていることがほとんど。温水洗浄便座の機能には「節水モード」が搭載されています。
使用回数の少ない人や節約意識が高い人にとってはより身近な機能とも言える節水モードですが、著しく高い設定をしたことで排水時の水が制限され、かえって流れにくい環境を招いている可能性もあります。
節水モードは使用環境に合わせるほか、猫砂や食べ残しなどを流す場合は、一時的に節水モードを緩めたり、こまめに流すよう意識的に工夫したりすることが大切です。
トイレタンクにペットボトルなどを入れている
節水を気にする人の中には、トイレタンク内にペットボトルを入れ、給水量を下げる人も少なくありません。
トイレタンクにはさまざまな部品が取り付けられており、それぞれが干渉し合うことで給水・排水が正常に行われます。しかし、ペットボトルを入れたことで部品が正常に作動せず、排水量が減少することがあります。
また、さまざまな部品の位置がずれてしまい、給水や排水が正常に行われず水漏れにつながることも。トイレタンクにペットボトルを入れて節水を行う場合は、部品の位置が変わらないよう固定するなどの工夫をすることが大切です。
トイレがつまったら 効果的な対処法
さまざまな理由によってトイレがつまってしまったら、以下6つの方法を試してみましょう。
ラバーカップ
ラバーカップはホームセンターやドラッグストアで購入できる、水周りのつまりに特化した道具です。
使い方は、トイレの封水(便器内にある水たまり)に、ゴム製カップを押し当て空気を出し入れします。ゴムカップと便器の間には隙間がないようにするのがポイントです。
密着度が高ければ高いほど、空気が漏れずに奥へと入るため、スムーズに排水管のつまりを除去できます。価格は1,000円ほどで販売しているので、トイレのつまり用に一つ用意しておくと安心です。
パイプクリーナー
近年ではコンビニでも手に入れられるパイプクリーナーは、トイレのつまりにも役立ちます。
使い方はパイプクリーナーを封水に注ぎ入れ、パッケージに記載された規定時間、放置するだけ。つまりの原因を薬剤が分解するため、手などを汚さずにつまりを解消できるでしょう。
ただし、パイプクリーナーのパッケージには「トイレのつまりにはおすすめできない」と書かれていることがほとんど。汚物や固形物を溶かす効果は低いため、一時的な解決方法として押さえておくと良いでしょう。
真空式パイプクリーナー
真空式パイプクリーナーもラバーカップと同様の使い方でトイレのつまりを除去できます。ラバーカップに比べて約5倍の威力があるとも言われており、頑固なつまりもきれいに取り除けるでしょう。
値段は2,000円ほどで、ホームセンターで購入可能です。真空式パイプクリーナーを使う際は、便器にひびや割れがないことを確認してから使用しましょう。ひびや割れがある状態だと、強い空気圧によって便器が破損する可能性があります。
針金タイプのハンガー
つまり除去アイテムがない場合は、針金タイプのハンガーを使ってみましょう。ハンガーを一度まっすぐに伸ばしたら、挿入部分をU字状に曲げてガーゼなどを巻き付けます。
封水奥の配管や排水管の手前まで直接掻き出すことができるため、軽微なつまりであればこの方法で改善するでしょう。
バケツとお湯を使う
トイレのつまりに効果的な道具がない場合は、50度ほどのお湯をバケツに溜めて、数回に分けて封水に注ぎ入れてみるのもおすすめです。
お湯は汚物やトイレットペーパーを柔らかくするはたらきがあるため、つまりの原因を溶かしやすくします。バケツからの水流によって配管や排水管のつまりを一気に押し出すことができるでしょう。
ただし、熱湯を使用するのは控えてください。トイレは陶器製のため、熱膨張などによって便器が破損・ひび割れの原因につながります。
長時間放置する
すぐにトイレを使う予定がない場合や、一人暮らしの場合であれば、つまりを放置するのも方法の一つです。放置している間、汚物やトイレットペーパーに触れた水が徐々に内部に浸透し、次回トイレを使用した際に、バラバラに崩れて流れる可能性があります。
水道業者に修理を依頼した場合の費用相場
さまざまな方法を試してみても、改善しないケースもあります。
その場合は、高圧洗浄やトイレや床材を分解して排水管などを洗浄する分解洗浄などを行う必要があります。水道業者につまりの改善を依頼した場合は、10,000~20,000円ほどの修理費用がかかります。
なお、分解洗浄になると作業が大がかりになるため、30,000~50,000円ほどかかることを視野に入れましょう。特に急いでいないのであれば、複数の業者から見積もりを取って、比較したうえで検討するのがおすすめです。
まとめ
本記事ではトイレがつまりやすい理由とつまったときに取り入れたい対処法についてご紹介しました。
トイレは人が生きていくうえで欠かせない水周りの一つです。そのため、どのような仕組みであり、どのような理由によってつまりやすいのかを把握しておくことが大切です。本記事でまとめた情報を知識として役立て、快適なトイレを維持するよう心がけましょう。